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わたしの感情の歴史

心のページに刻まれた想いを綴ってゆきます

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「水の旋律」岩堀純子 場所を求めて流れる水の唄々 


岩堀純子の第二詩集「水の旋律」(編集工房ノア)を読んだ。

彼女らしい癖のない詩文で、まさに水が流れるように滑らかに綴られる詩で纏められている。

岩堀さんの初期の詩は悲劇的なものが多く、時に読んでいて心配になるような詩もあった、がそれが彼女の詩の魅力でもあった。テーマは重いのだが、その滞ることなく流れてゆく詩情に悲しみが溶けて消えてゆくような、それが岩堀さんの詩のスタイルだった。

詩作を重ねるごとにその悲劇性は少しずつ薄まっていって、過去の思い出と現在の孤独に苦しみながらも歩いてきたその道の空に、その暗い林道の先に見えてきた微かな光が彼女の詩情を照らしはじめたように感じる。

それでも彼女の詩情はある「場所」を求めて流れてゆくのである。


「南へ」より


わたしは見知らぬところを歩いている

どこにもない場所を求め

偶然でも必然でもなくわたしはここに在る

しかし場所とはいったいなんだろう

ここでわたしはわたしであることの

すべてをうけいれている

------

今は亡き母が登場するこの詩のなかで彼女は思い出を追いかけるように、しかし思い出の声も色もない場所を求めて雨を浴びながら草叢を歩いているのである。


「マルゴンダ通りの朝」では南国の貧民街が描かれている


失意と妬みのうえに

やがて期待と諦めの波が

やさしくかぶさってくる


今日も男は座り

少年は眠る

バスは走って行く

-----

このやりきれない光景のなかにも彼女は、求めている場所の手がかりを探しているのだ。


「木の風景」より


その梢にはわたしだけの場所がある

見上げると道の空があり

ひとりだけのあてのない感傷があった

その下で遊んで日を過ごし

夕空に伸びる黒い幹を描いた


時をへて

ひとが歩いて来た道には

いつまでも立っている木がある

そこには木と同じ大きさの

さまよう孤独な魂がある

-----

わたしだけの場所を求めて歩いて、振り返る道には「木と同じ大きさのさまよう孤独な魂」が彼女を見つめている。

その孤独な魂に見守られながら、彼女の詩情はまた流れてゆくのである、場所を求めて。


初めての詩集「水の感触」に続いての第二詩集「水の旋律」、この短い期間に2作もの詩集を創り上げる岩堀さんには、詩の友人としては只々尊敬と憧れの眼差しを向けるほかない。詩集を本として出版するには大変な労力と精神力を要することは、わたしのように経験のない者でも想像できる。

そのエネルギーの源泉はやはり彼女のポエジーの源泉でもある「水」への想いにあるのだろう、過去から現在未来へ、山の峰から海へ湖面へ、溶けて運ばれてまた浮び上がってくる幻影と、夜毎日毎に囁きかけるせせらぎはいつまでも尽きることはない、時に逆流しながら、幸か不幸かは知らずに。

詩人岩堀純子の今後の活躍に更なる期待を寄せます。




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Posted on 2015/09/10 Thu. 10:01 [edit]

category: 岩堀純子

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