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わたしの感情の歴史

心のページに刻まれた想いを綴ってゆきます

冬を待つ雪 



うつむいた視線の雪

まだ冬は下りてきていない


それからぼくは日高の峰へと歩いてゆく

雪の草原が白樺の木のしたで空を映している

雨は根雪のしたに降りつづける


夏の日の高原から風が下りてくる

死んだはずの男はまだ生きている

夏服を着たままで


それからぼくは雪煙舞う農道を走っている

生活が雪を追いかけている


突然に生まれたぼくは

いま日差しが明るい部屋に佇んでいる


そして冬を待っている

窓の外には春までとけない雪が道を覆っている


気が付けばまた歩いていた

うつむいた視線に

まだ冬は下りてこない



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Posted on 2017/01/31 Tue. 18:12 [edit]

category: 詩的つぶやき

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31

ペダル 



回転する

灰色の空があかるくなるまで

昨日のかなしみの地平がみえるまで


流転の星のなか

くり返す音の雪原を

回転しながらすすむ


地中深くしずんだ火にむかって

あるいは

軒下の蜘蛛の巣にかくされた宇宙にむかって


波打つ風をぬけて

骨の関節をくぐって


峠と空の境界にたどり着くまで

顔がキャンバスに移されるまで


闇の扉のまえで

回転の夢を旅する


錆色の廊下で




Posted on 2017/01/24 Tue. 17:32 [edit]

category: 詩的つぶやき

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24

わたしのポエジーの源泉 



実家から3冊の本が届いた


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吉岡実 特装版現代詩読本

田村隆一 現代詩読本

谷川俊太郎 世間知ラズ



旅に本は持っていけないから、旅に出てからはずっと読めずにいたのだが、やはりどうしても読みたいので実家から送ってもらった

宇和島にいたころからこの3冊はいつもわたしの傍らにあった

数多くの詩集を読んできたが、何度も読み返すのはこの3冊だけ、わたしにはこの3冊だけで十分なのだ



吉岡実の詩は、画集を見るような気持ちで読む

彼ほど画家的な詩人はいないと思う

彼のことばはときに鮮やかに、ときに鋭い彫刻のように読者を圧倒する

深淵に突然あらわれた光線に

 床の塵の類はざわざわしはじめる

のである


田村隆一の詩はそれとは逆にモノトーンである

荒涼とした地にかれのことばが神託のように響く

 鳥の目は邪悪そのもの / 彼は観察し批評しない

彼は言葉のない世界で

からからに乾いた言葉を甦らせる

荒地の詩人です


谷川俊太郎は多くの詩集を出しているが、この「世間知ラズ」が一番好きです

彼のことばがわたしの日常に語りかける

彼の日常にわたしが語りかける

彼はでも冷めた口調でこう返すのです

 詩は言葉を超えることはできない / 言葉を超えることのできるのは人間だけ

彼はやはり宇宙人だと思います

これほど人間に遠くて近い詩人はいない


不思議なことに、この本が郵便受けに届いた今日に、なぜか詩が書きたくなって2作も書いてしまった

まだ封を開ける前です

でもなにも不思議がることはないんです

ことばが突然あわられる如くに

この3冊が届いただけのことですから




Posted on 2017/01/20 Fri. 22:15 [edit]

category: ひとりごと

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20

赤信号のしずく 



赤信号のしずくが落ちる

つややかに光って

夜のはじめに落ちてきえる


かなしみは過ぎゆくもの

夜道にきえてゆくライトの軌跡のように

闇にまぎれて夢の果てへとすすんでゆく


真昼の音と日差しのなかに

歩いているわたしの後ろ姿を見た


交差点のむこうのビルの後ろに見える山の稜線

雲がきえた水色のそら


昨日のかなしみを思いだしている

果てしのない夢を歩いている




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Posted on 2017/01/20 Fri. 17:34 [edit]

category: 詩的つぶやき

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20

お正月帯広にて 



踏みかためられた粉雪のうえを

三人の親子が手をつないで歩いてゆく

見上げるビルの空から雪は落ちてこない


ここまで歩いてきたぼくは

はたして今のぼくだったろうか


凍った道をあたり前のように車がゆきすぎる

赤信号が華のようにかがやく


ふと夏の日本海をおもいだす

どこまでもつづく海岸

積みあがった砂の土手


あのときのぼくは

いまどこを走っているのだろう



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Posted on 2017/01/03 Tue. 16:27 [edit]

category: 詩的つぶやき

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03

日高山脈 



朝の現場へむかう車の窓から日高山脈の連なりが見える

仲間の誰も見ていない

わたしだけが見つめている


雪に覆われた広大な畑の真んなかに 作業小屋の屋根が突きでている

誰も見ていない

わたしだけが見つめている


現場に着いて忙しく立ちまわるわたしを

誰も見ていない

わたしだけが見つめている


昼休みの車のなか わたしの冷めたコンビニの弁当を

誰も見ていない

わたしだけが見つめている


遠い景色のように

わたしが見つめるもの以外はみんな

窓のそとにある


そして薄いガラスを隔てたむこうに佇むものは

わたしにしか見えない

憧憬のまぼろし



Posted on 2017/01/02 Mon. 16:19 [edit]

category: 詩的つぶやき

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