FC2ブログ

08 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.» 10

わたしの感情の歴史

心のページに刻まれた想いを綴ってゆきます

赤い日の思いで 


赤い山羊の乳

君から教わった字の書き方

今も覚えている

君から教わった声の書き方

地平の見方

雷の日の過ごし方

赤い夕暮れの洗濯物

崖下の乞食

君から教わった笑顔

皮肉な声の練習

青空の競技場

風になびく赤い旗

行列

蟻ではない人間の

顔顔顔

テーブルの上に散らばる

洗濯物



スポンサーサイト



Posted on 2015/09/27 Sun. 12:26 [edit]

category: 詩的つぶやき

TB: 0    CM: 0

27

内子の河原にて 


流れる斑点模様

うねる水銀のレース

赤いハンカチ模様

草原の道しるべ

重なり合った岩の地平

伸びた頭の幻影

看過できない風の履歴

岩間に沈んだ声の複製

平和な草の陰

風に教わった秘密の歴史

何も起こらない河原で

人の足音がする



Posted on 2015/09/27 Sun. 12:21 [edit]

category: 詩的つぶやき

TB: 0    CM: 0

27

和霊公園 雨上がり 


水溜りに落ちた空の影 波紋が広がってゆく

頬杖ついたすべり台の木

木々の裾を昇ってゆく草

平原の偶像 眼下の水面に降り立つ

廃墟の窓にも似た木々の間に

流れて見える人や車の幻

水溜りに落ちた鳩の濡れた足

象徴は何を刻むか

幻影は何を映すか

濡れた世界の絵本

綴じられた雨音



Posted on 2015/09/24 Thu. 12:35 [edit]

category: 詩的つぶやき

TB: 0    CM: 0

24

和霊公園 緑い季節 


箒星の消えた庭

鈍重な石の階段

飛来する蝙蝠の群れ

円環している森の歌

木々の間に棲む星

日射しに焼かれた人

あらゆる柵の向こうに広がる石壁

見える境界の果てに行き過ぎる人々

開いた森の窓

現れた平原の偶像

鈍器のようにしなる木の枝

恥じらう鳩の歩み

木の幹をたどる雨の軌跡



Posted on 2015/09/23 Wed. 09:28 [edit]

category: 詩的つぶやき

TB: 0    CM: 0

23

怠惰な部屋の枕 


精巧な縞模様

恋人たちの楽園

悲しいクレーター

秋の実に隠れた目の密告

歪んで閉じる雲

歩かない星空

逢引する馬 天使のように

夜空に散らばって消えてゆく



Posted on 2015/09/22 Tue. 18:02 [edit]

category: 詩的つぶやき

TB: 0    CM: 0

22

和霊公園 行き過ぎる人 


かろうじて知る光の窓の向こうを

人が行き過ぎる

どうにもならない草原

仕組まれた日の夕暮れ

行き場のないベンチ

人が行き過ぎる

川の畔の暗闇を

或いは日射しの降下する花火の下を

うなじを見せる絵画の木々

泡立つ水の灌木

引き締められた肉の紐がほどかれて

草原に溶けていった朝



Posted on 2015/09/22 Tue. 12:37 [edit]

category: 詩的つぶやき

TB: 0    CM: 0

22

和霊公園 休日 


花弁が沈んだ海

雨に打たれる銅像

歩きながら成長する草

風が支える木の幹

剥ぎ取られた紋白蝶の影

新世紀の薫り

雨に沈んだ墓地

浸食されない氷

花弁が去った後に

残されて立つ木



Posted on 2015/09/21 Mon. 12:39 [edit]

category: 詩的つぶやき

TB: 0    CM: 0

21

詩集「小さなユリと」黒田三郎 に寄せて 


鮎川信夫が石原吉郎に贈った追悼詩のなかに「罪びとのやさしさ」という言葉があるのだが、
この言葉はわたしの心のなかに、涙の跡のように微かにではあるのだがいつまでも消えずに
残っている。

でも「罪びとのやさしさ」とはなんだろう、罪を犯した人間のみが持つやさしさとは。

そもそも罪とはなんだろうか、堕落とはなんだろうか、人が人を非難する言葉はすべてが曖昧で、

でも「やさしさ」がなんであるかは、言葉で説明できなくとも、なんとなく感じることができる。

そのやさしさの内の重く沈んでゆくような、透明な水に落ちてゆく黒いインクのようなやりきれない
感傷をこの詩集「小さなユリと」から受け取るのではあるが、その感傷は間違いなくやさしさなのである。

宇宙人と称される詩人もいるが、この詩集の作者である黒田三郎は人間である。

切ないくらいに駄目でやさしい人間なのである。


「夕方の三十分」より


癇癪もちの親父が怒鳴る

「自分でしなさい 自分でェ」

癇癪もちの娘がやりかえす

「ヨッパライ グズ ジジイ」

親父が怒って娘のお尻を叩く

小さなユリが泣く

大きな声で泣く


それから

やがて

しずかで美しい時間が

やってくる

親父は素直にやさしくなる

小さなユリも素直にやさしくなる

食卓に向かい合ってふたり座る

---------


入院している母親に代わって世話をしている父と娘のドタバタ劇であるのだが、この人間臭い
やさしさがこの詩集を包んでいる。

当時黒田三郎詩集(思潮社)に収められていたこの詩を15年前に読んだ時に感じた気持ちそのまま
に感動して読むことができた。

この詩集が復刻されたことを知らせて頂いた黒田 正己(小さなユリの弟)さんに感謝します。

帯に書かれている通りに歴史的な詩集です。



Posted on 2015/09/16 Wed. 08:35 [edit]

category: 黒田三郎

TB: 0    CM: 0

16

和霊公園 秋の入口 


オレンジ色の葛藤

名前を告げない木々の幹

消えた夜の顔

線引きされないトンボの航跡

一日の季節を歩いてきた銀杏の木

風の往来を止める電車

昨日の時間が淡い記憶のなかで

円熟してゆく

秋の気配を感じて

溶解する



Posted on 2015/09/16 Wed. 07:08 [edit]

category: 詩的つぶやき

TB: 0    CM: 0

16

和霊公園 秋の風 


石の柱を飛び出した定型

夕暮れ時の物憂い水の薫り

想いだすダリの地平

溶けて伸びてゆく頭

黄昏を待つ木々の

閉じられた繊維のドア

狩りを待つ鳩の群れ

石に隠れた獲物を探して飛び立つ



Posted on 2015/09/15 Tue. 08:02 [edit]

category: 詩的つぶやき

TB: 0    CM: 0

15

「水の旋律」岩堀純子 場所を求めて流れる水の唄々 


岩堀純子の第二詩集「水の旋律」(編集工房ノア)を読んだ。

彼女らしい癖のない詩文で、まさに水が流れるように滑らかに綴られる詩で纏められている。

岩堀さんの初期の詩は悲劇的なものが多く、時に読んでいて心配になるような詩もあった、がそれが彼女の詩の魅力でもあった。テーマは重いのだが、その滞ることなく流れてゆく詩情に悲しみが溶けて消えてゆくような、それが岩堀さんの詩のスタイルだった。

詩作を重ねるごとにその悲劇性は少しずつ薄まっていって、過去の思い出と現在の孤独に苦しみながらも歩いてきたその道の空に、その暗い林道の先に見えてきた微かな光が彼女の詩情を照らしはじめたように感じる。

それでも彼女の詩情はある「場所」を求めて流れてゆくのである。


「南へ」より


わたしは見知らぬところを歩いている

どこにもない場所を求め

偶然でも必然でもなくわたしはここに在る

しかし場所とはいったいなんだろう

ここでわたしはわたしであることの

すべてをうけいれている

------

今は亡き母が登場するこの詩のなかで彼女は思い出を追いかけるように、しかし思い出の声も色もない場所を求めて雨を浴びながら草叢を歩いているのである。


「マルゴンダ通りの朝」では南国の貧民街が描かれている


失意と妬みのうえに

やがて期待と諦めの波が

やさしくかぶさってくる


今日も男は座り

少年は眠る

バスは走って行く

-----

このやりきれない光景のなかにも彼女は、求めている場所の手がかりを探しているのだ。


「木の風景」より


その梢にはわたしだけの場所がある

見上げると道の空があり

ひとりだけのあてのない感傷があった

その下で遊んで日を過ごし

夕空に伸びる黒い幹を描いた


時をへて

ひとが歩いて来た道には

いつまでも立っている木がある

そこには木と同じ大きさの

さまよう孤独な魂がある

-----

わたしだけの場所を求めて歩いて、振り返る道には「木と同じ大きさのさまよう孤独な魂」が彼女を見つめている。

その孤独な魂に見守られながら、彼女の詩情はまた流れてゆくのである、場所を求めて。


初めての詩集「水の感触」に続いての第二詩集「水の旋律」、この短い期間に2作もの詩集を創り上げる岩堀さんには、詩の友人としては只々尊敬と憧れの眼差しを向けるほかない。詩集を本として出版するには大変な労力と精神力を要することは、わたしのように経験のない者でも想像できる。

そのエネルギーの源泉はやはり彼女のポエジーの源泉でもある「水」への想いにあるのだろう、過去から現在未来へ、山の峰から海へ湖面へ、溶けて運ばれてまた浮び上がってくる幻影と、夜毎日毎に囁きかけるせせらぎはいつまでも尽きることはない、時に逆流しながら、幸か不幸かは知らずに。

詩人岩堀純子の今後の活躍に更なる期待を寄せます。




Posted on 2015/09/10 Thu. 10:01 [edit]

category: 岩堀純子

TB: 0    CM: 0

10

和霊公園 9時31分 


蠟引きされない独楽の回転

石に似せた象の顔

刈り込んだはずの草に埋もれる鳩

七つの声と七色の列車

配達されない石

日射しの的になる鳩の目

ひらりと落ちる葉に似せた鳥の死骸

果断に進む鳩の歩む先

演じるなら雲のように

雲に似せた空のように



Posted on 2015/09/02 Wed. 12:04 [edit]

category: 詩的つぶやき

TB: 0    CM: 0

02

台所にて 


脱ぎ捨てられた珊瑚の皮

オーバーワークな建築

電線の今日の宴に

カナリア世代の歌が聞こえる

五月の花開く頃に 書き綴られた文字

有り難い日の深淵

煌々と輝く月

朝の水面に

一輪の花の滴

もう起きてはこないだろう昨日の夕焼け

裸にされたベンチ



Posted on 2015/09/01 Tue. 12:39 [edit]

category: 詩的つぶやき

TB: 0    CM: 0

01