FC2ブログ

08 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.» 10

わたしの感情の歴史

心のページに刻まれた想いを綴ってゆきます

旅の途中 


置き忘れた石

曖昧な記憶の足跡

音楽と酒の力を借りて

あの旅路を思いだす

真昼の日差しが夜の闇を照らす

旅人ならば誰だってそんな夜に

苦しい寝汗をかいて

ひそかに微笑んでいただろう

たったひとりの夜の孤独に

永遠を嘲るのだ

真夏の日差しが石畳の路地を照らす

走ってゆく昨日の背中 残像のなかに

なぜか悲しくなる未来を見る

テントのなかでそんな夢を見る

足跡はどこへ行く

音は遠ざかってゆく

懐かしい春の草原

風を受けて立っている

旅の途中



スポンサーサイト



Posted on 2014/09/27 Sat. 23:21 [edit]

category: 詩的つぶやき

TB: 0    CM: 0

27

点けっぱなしのテレビ 


悲しい音がする

ひとは憎むことに忙しくて

その音は聞こえない


悲しいひとが

悲しい罪を冒す

するとひとびとは草叢に息を殺していた獣のように

その悲しい声の血の名残りまで貪り喰らいつく


暗闇のなかで時間は流れてゆく

冷たいコンクリートの壁に顕れる声の結晶

点けっぱなしのテレビが照らす

無防備な肉体


爽やかな朝の悲しい日差しの声を

いつも聞こえないふりをしている

その悲しい姿を

知らないふりをして生きている


今日も生きている

計りきれない悩みと孤独を抱えて

再び差しはじめた日の陰に

罪が身を潜めているのを

知らないふりをして

生きている



Posted on 2014/09/19 Fri. 01:02 [edit]

category: 詩的つぶやき

TB: 0    CM: 0

19

山間の河 


雨が去ったあと

山間の渓谷に浮ぶボート

彼はたった一人で

たった一人の河に留まっている

時間は流れている

水はあたかも止まっているようで

流れている しかし

川面に落ちる木の陰は留まっている

釣人の視線の先を空が見つめている

それを知ってか知らずか

釣人を眺めながら旅人は進んでゆく

進んでゆく無情の魂として

明日を怖れる肉体として

知ってか知らずか

光が沈む方角へ

やがてたどり着く海辺の町の橋の袂

川面に灯が映るのを見つめている

留まっている旅人の視線を横切って

釣人が沖へと漕ぎ出してゆく

振り向いた彼の視線・・・

彼はいま影を映す光のなかに居る


P8101817.jpg

Posted on 2014/09/16 Tue. 00:00 [edit]

category: 詩的つぶやき

TB: 0    CM: 0

16

雨の予感に斃れた日 


悪い予感のように

空は低く垂れ下がる

やがて軒下に顔を覗かせて

雨が降りはじめる


荷物をまとめて逃げる

雨と風が遮られるコンクリートの隙間へ

濡れた体と 濡れた荷物が

暗いタイルに滴を落とす


暗闇が知っているのを感じる

暗闇が繋がっているのを知っている

昨日見下ろした入江の波打ち際と

残してきた不在の部屋


旅が意味が立ち止まっている

静かに軒下の雨の落ちるのを見つめている

旅が意味を問う 意味は見えない海の見えない街の光のなかに消えてゆく

雨は音だけを残して夜へと旅立つ


すべてを諦めた潔い腕が動き出す

夜が冷たいコンクリートのなかで始まってゆく

冷たい雨音がタイルに響く

立ちすくんだままの肉体が在りし日を見つめている



Posted on 2014/09/13 Sat. 00:01 [edit]

category: 詩的つぶやき

TB: 0    CM: 0

13

夏草 

   
夏草が鳴いている

網戸の向こうの知らない闇から

冷たい風が吹いてくる

斃れた草の葉がひび割れる匂いがする


あの道にはいま雨が降っているそうな

あの道はあの苦しい記憶なかに

溶けない雪のように白く輝いている


死んだ陽炎の身体から立ち昇る

陽炎のような雲

途切れた洞門の隙間に日が差してくる


暗闇が待っている

かつて見た夏の日の記憶を映して

せせらぎが聞こえる

洞門の開かれた窓から

明日が喉を開いて

河を飲み込んでいる


消えた詩編の尾根の向こうから

わたしが見下ろしている

いま消えんとする

声の軌跡を



P7270564.jpg

Posted on 2014/09/10 Wed. 23:39 [edit]

category: 詩的つぶやき

TB: 0    CM: 0

10