FC2ブログ

08 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.» 10

わたしの感情の歴史

心のページに刻まれた想いを綴ってゆきます

旅人 


日が沈んでゆく

何も見えなくなる

かぼそい灯をともす

壁のない しかも狭い部屋

手も足も見えない

マグカップの酒を飲みながら明日を想う

また険しい坂を上る 

なんという不条理

その不条理な日に焼かれて

なんという自由

不自由な明日 不自由な今日

壁のない夜 されどわたしは拘束される

蒸し暑いテントのなか

屋根のない星空のしたで

なんという閉塞

汗の匂いが体を締めつける

発狂する肢体

その情熱のまま

その囚われ者の抑圧された

解放されない手足のまま

走ってゆく明日

なんという不条理

なんという自由




スポンサーサイト



Posted on 2013/09/24 Tue. 23:57 [edit]

category: 詩的つぶやき

TB: 0    CM: 0

24

陽炎 


荒れた庭の草

生きているのか死んでいるのか


あの日ぼくたちの淡い空に消えていった飛行機

シュプレヒコールのなかに生まれた沈黙

群れるひとの足は声だけを残して帰っていった

見えない塀のむこう 行けない林の奥


曖昧な闇を掻き分けてすすんでゆくものたち

曖昧な日差しのなかに微睡むものたち


少しずつ少しずつ剥がれてゆく皮膚

変わってゆく街の色

変わらない人の足音


陽炎をさがして走っていたあの夏

焼けたアスファルトの熱に悶えながら

溶けて消えていったあの夏


荒れた庭の草

小さな蝶が舞っている



Posted on 2013/09/24 Tue. 10:10 [edit]

category: 詩的つぶやき

TB: 0    CM: 0

24

白い雲の旋律 


干乾びた砂糖黍の根

雨を待つ農夫


今日も船が出る 航路は波を分けながら

光が戯れる都へと進んでゆく


大いなる声が稲光となって落ちる

海の草原へ 立ち騒ぐ草叢のなかへ


望んでいるものは 誰も運んでくれやしない

コンテナの中は 悲しい思い出ばかり


積み重なってゆく 珊瑚の死骸のうえに

されど美しい白い雲の旋律


誰も語るなかれ

海人の口から漏れたあぶく


見えるもの聞こえるもの

声を殺して吹く 死にきれない声の風


街は灯であふれ 割れた瓶の欠片が道を覆いつくしても

われらの道は暗くさざ波の音をたよりに


下りてゆく なにを望むでなく

海のなか大陸を越えて 白い雲へと歩いてゆく



Posted on 2013/09/09 Mon. 23:21 [edit]

category: 詩的つぶやき

TB: 0    CM: 0

09

水平線 


続いているのではなく 繋がっているのでもない

水平線の向こうに わたしではない

でもまったく他人でもない

昨日でもない 明日でもない

泣いているのでない 笑ってもいない

それは海岸ではなく たとえばこの部屋の

留まっているわたしの目が見つめている

わたしだけの世界 その世界に佇んでいるのは

はたしてわたしなのか それを知らない目が見つめている

時間の風に吹かれながら

でも確かにわたしが求めているものがその世界の

風のない世界に 佇んでいる

いつまでも終わらない明け方の夢が

次の夏へと向かって歩いている

砂糖黍畑のなかの道を

わたしの わたしでない姿を探して

日差しに焼けた道の陽炎のなかに沈んでゆく



Posted on 2013/09/09 Mon. 00:56 [edit]

category: 詩的つぶやき

TB: 0    CM: 0

09