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わたしの感情の歴史

心のページに刻まれた想いを綴ってゆきます

春の倦怠 


枯草が腐って土となって

その上に草が生えて

また土となって

積み重ってゆく層は悲しい記憶のように

その上を流れてゆく風

光は葉叢のなかに陰をつくり

その小さな世界で蠢いている命の気配

倦怠は昨日の夢のように

日差しが照らす窓の縁に佇んでいる

歩き出そうとして ためらっている

声にならない叫び

木の陰で遊んでいる子供たちをじっと見ている

記録されない時間のなかで



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Posted on 2013/03/29 Fri. 16:59 [edit]

category: 詩的つぶやき

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29

再生 


枯れて渇いてうなだれる夏草は冬を越えた

もう少しもう少し 土に帰るまで

ひと雨ごとに沈んでゆく幹

生まれたての短い草の上には風が

風は音楽を運んでくる

音楽は生きているものの為に

老いてゆく眼差しの為に

そして死にきれなかったものたちの声が

薄暗い部屋のなかで息をひそめている

季節の風に怯えて



Posted on 2013/03/26 Tue. 17:22 [edit]

category: 詩的つぶやき

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26

記憶の部屋 


短い草の揺れを眺めながら時間が過ぎてゆく

開かれたバルコニー 緑に反射する光の粒粒

薄暗い部屋 佇んでいる肉体

逆行線に色を失くした黒い物体として

真昼のキャンバスに描かれる

季節を歩いてきた行人が石の姿を借りて

陰と日差しの境界に座っている

空間の終わりの壁を背に

限られた視界の明るい庭を眺めている

風が吹いている 時間は流れている

されど目のなかで乾いてゆく色

固まって永遠の壁に飾られる

一枚の絵画となる



Posted on 2013/03/21 Thu. 16:26 [edit]

category: 詩的つぶやき

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21

明るい午後の小さな世界 


僅かに張り出した軒がつくる僅かな陰

屋根に隠された木の幹が突き出す枝

窓枠のなかの限られた空

明るい午後のなかに点在する小さな世界

ときに視界を遁れて

ときに視界を吸い込んで

干乾びたまま冬を越した蛹の殻

太陽の熱にささくれる木の肌

雲間を駆け抜ける蝶の夢

人知れず震えて燃えて沈んで

展開する侵入する

瞳の奥の泉のなか 総毛立つ皮膚を裂いて

想いでの太陽の下に晒される

やがて訪れる闇は小さな世界の境界を消して

ないまぜにされた記憶のなかを

永遠に広がってゆく



Posted on 2013/03/19 Tue. 16:44 [edit]

category: 詩的つぶやき

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19

芽生え 


いつの間にか短い草のなかにつくしが生えている

たわわに実った金柑を鳥が啄んでいる

葉は葉のなかに 枝は枝のなかに

狭い陰を潜って吹きはじめる

緑は緑のなかに色を落として

午後の日差しを吸って

鮮やかに濃くなってゆく

バルコニーに座って眺めるわたしの息は荒い

限られた土壌のなか

短い春のなか

命は争いながら生きる場所を探して根を下ろす

いつもと変わらない木枠の上でわたしは

息苦しく喘いでいる



Posted on 2013/03/19 Tue. 10:46 [edit]

category: 詩的つぶやき

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19

無人列車 


遅れて歩き着いた駅

乗りそびれた列車はもういない

薄暗い待合所

新聞を読むひと

売店に並ぶ弁当や雑誌や煙草

行きたくもないところへ

何の目的があって

何を急いでいたのかを

いまは忘れて

ただ意味もなく掲示板を見上げている

乗り過ごした時間は私を忘れて

待っている者の存在は定かではない

立っているわたしの肉体と

それを支える床の硬さも

何も感じられないでいるわたしの前を

次の列車が通り過ぎる

咲き始めた桜の香りを想う

わたしのいない部屋のなか 

カーテンの隙間から差し込んでくる光に

生まれてくる陰

風になびく駅員の旗

無人の客車が音もなく 目の前のホームに停まって

ドアを開いた



Posted on 2013/03/17 Sun. 11:52 [edit]

category: 詩的つぶやき

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17

陰のなかで 


秤 軍手 雑多に置かれた仕事の道具

日差しを遮るカーテンはまた開けられる

擦れた畳の綻び 何を確認するでもないカレンダー

すべては止まっているようで陰は動いている

窓ガラスに映るトタン屋根の光

止まっているようで死んでいない物たちは陰をつくり

わたしという肉体は陰のなかをせわしく歩く

硬い箱のなかで腐ってゆく果実

温かくなる空気に汗ばんでくる肌

結露するガラス瓶の滴

死んだように微動だにしない物たちが

生活の檻を囲んで 見つめている

儚い鼓動

やがて影を失って落ちてゆく肉体の遊戯を

冷たく見つめている



Posted on 2013/03/17 Sun. 11:18 [edit]

category: 詩的つぶやき

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17

悲しい肉体 


干乾びてうなだれる枯草の群れのなかに

悲しいひとの面影を見た

夜へと近づいてゆく時の淡い光が

誰も訪れることのなかった玄関を照らしている

白い壁紙が陰を覆っている

肉体は生きているようでいて

春の日差しのなかでその輪郭は霞んで

あやふやな影が倦怠のなかでまどろんでいる

悲しい肉体---

存在しているがゆえに季節に運ばれて

それでいて立っている意味を知らない

流れる涙の理由を知らない

朽ちてゆく枯草の幹をかきわけて歩いてゆかねばならない

退いてゆく午後の光

降りてくる闇

森へと帰るまえのひと時 鳥が鳴いている

遥かな尾根へと延びている道

夕暮れの空に浮び上がる



Posted on 2013/03/16 Sat. 18:09 [edit]

category: 詩的つぶやき

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16

命の道 


日差しが強くなってきた

幹のよじれた畑の木々は

風を浴びながら空へと近づいてゆく

今しがたドアの前に立っていたわたし

ノブを持ったまま眩暈のように身体が溶けていった

そして落下してゆく

底のない暗闇のなかを

季節の繋ぎめに空いた

宇宙へとつづく垂直の道を

生きているものとして

死と死を繋ぐ水の流れとして

吸い上げられてゆく



Posted on 2013/03/15 Fri. 16:47 [edit]

category: 詩的つぶやき

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15

帰れない家 


帰れない家は

楽しかった夏の日のようで

たどり着けない尾根の木陰のようで

終わらない悲しみのようで

戻れない季節の歩みのようで

帰れない家の庭に繁茂する草の陰には

幼い日の懐かしい遊びの記憶が残っていて

なぜに人はそれぞれの不幸を抱えて

見えない明日に笑っているのか

その声は部屋に閉じこもったまま

窓の外を見つめている

帰れない家は 思い出の骸のようで

帰れない家は 動かないまま死ねずにいる

時間を忘れたようなふりして

春の風をやり過ごしている

青い空に映えて



Posted on 2013/03/13 Wed. 22:55 [edit]

category: 詩的つぶやき

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13

倦怠の雨のなか 


生ぬるい雨のなかを

歩いてゆく人の

傘の裡に隠された目

何を見つめるでもなく

何を探すでもなく

ただ倦怠の滴が流れ落ちるまま

アスファルトに映る空を渡ってゆく

冬に干乾びた草はうなだれて

濡れた土の匂いを嗅いでいる

激しくなる風に

季節の針が加速する

雨音に呼応して総毛起つ肌の

光の足跡

薄暗い部屋の灯に晒されたすべての陰は

地層の川へと沈んでゆく



Posted on 2013/03/13 Wed. 16:33 [edit]

category: 詩的つぶやき

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13

 


光が忍びこむ焦げたフライパンの下

ドアの向こうで転がる枯葉の音

冬の間も忘れなかった時計の針の音が

ひときわ大きくなる

覆いかぶさってくる淡い日差しの膜

沈んでゆく枯草の幹

耳の奥から近づいてくる足音

溶けた雪の記憶がさざ波となって窓に映し出される

逆行線に閉じこもる陰

動かない食器の内なる狂気

激しい鼓動の予感

芽生える命が喚起する死のイメージ

歩きはじめる足

戻れない季節の道を



Posted on 2013/03/12 Tue. 16:52 [edit]

category: 詩的つぶやき

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12

花粉症のため詩作を休みます 


重度の花粉症のため思考ができず、しばらくは詩作はできないと思います。

また鼻が通るようになれば再開したいと思います。

しばらく花粉が終息するまで。



Posted on 2013/03/03 Sun. 12:29 [edit]

category: ひとりごと

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