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わたしの感情の歴史

心のページに刻まれた想いを綴ってゆきます

過去 


叫びは路傍の石となって黙っている

嘲りの声はときに空から

ときに橋の陰から

ふいに聞こえてくる

現実はただ歩いている

同じ速度で一本の道を

振り返る眼差しは

在りし日の秋桜のゆれるさまを見つめている

憎しみは台所に灯る火

動かない鉛筆の陰

悔恨は吹く風に混じる木々のざわめきのなかに

恥辱は落とした瞳の床のうえに

酩酊は夜の幻のなかに

白いベッドに横たわるわたしの病は

時計の針の音に健忘する



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Posted on 2013/02/27 Wed. 22:00 [edit]

category: 詩的つぶやき

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27

憂鬱な季節 


虚ろな眼差しが部屋に閉じ込められる

嗅覚を失った鼻に膿が滞る

悩ましい季節

朝のやわらかい日差しにも

窓を開けられない

庭がわたしをわたしが庭を拒絶している

木々の胞子が命を欲して

わたしは日差しに欲情して

繊細な膜は悩ましい季節に錯乱して

邪悪な夢を見る

酔ってうなされて取り乱して 走りだす 

何も見えず聞こえず

触れるものすべてに怯えて

拒絶して



Posted on 2013/02/26 Tue. 20:02 [edit]

category: 詩的つぶやき

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26

未知の記憶 


時計の針の音に合わせて

頭が傾いてゆく

突然鳴りはじめる冷蔵庫の音に

吸い込まれてゆく

何も考えられないほどに

疲れた体が

音に敏感になる

聞こえてくる日差しが残した声

川面に映る木々のゆらぎ

過ぎた真昼の歌は

閉じた眼差しの奥で

回るフィルムの映像に合わせて

聞こえてくる

白い壁に開けてゆく未知の記憶に

閉じた唇がそっと呟く

ドアに遮られた夜道を

罪が歩いてゆく



Posted on 2013/02/23 Sat. 23:52 [edit]

category: 詩的つぶやき

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23

静かな朝の不安 


朝が静かに見つめている

柱の滲み

思い出せない昨日の夢が

濡れた土の庭を駆けている

風は吹いていない

日も差していない

胸のうちの欲望だけが

騒がしく揺れている



Posted on 2013/02/23 Sat. 09:17 [edit]

category: 詩的つぶやき

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23

夜の草原で 


追いつめられた夜の草原で

真昼のつぶやきを聞く

闇を見つめているのは

磨りガラスの輝きに放心するのは

わたしだけではないはずだ

あなたの心のなかに

閉め切れない蛇口の滴が落ちてゆく

罪は罪のまま

悔恨は朝の日差しとなって

世界をめぐる

光が滑る 生活の輪郭をなぞって

足元に輝いて落ちる

どうしようもない不安は

未来の道を戻ってくる

されど過去の声は

路傍の花となって

風にゆられている

影は着いてくる

優しい宿命を背負って



Posted on 2013/02/22 Fri. 23:13 [edit]

category: 詩的つぶやき

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22

瓶に差された唐辛子の束 


鮮やかに熟れて干からびて燃えつづける

唐辛子

鋭い尖鋭が指し示すのは

光が歩んできた道

人間にとっては未来かも知れない道

時計の音は滑らかな表面をすべり落ちる

小さくも辛辣な叫び声

台所で弾ける狂気

蛇口が開く

流し台が泣いて

小さな種を吐き出す

血の跡が残る

太陽の種子



Posted on 2013/02/22 Fri. 20:02 [edit]

category: 詩的つぶやき

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22

哀れな有機体  


言葉は渇いているのに

心は荒地を彷徨っている

命は水を欲して

言葉は永遠を欲する

枯れた夏草のように生きたい ---

死は永遠のように渇いて

詩は死に憧れる

生きているから

柔らかな肌に触れていたい

生きているから

儚い夢を共有する

哀れな慰め

抱擁と怠惰の夢

水を欲して

腐敗の快楽に酔う

哀れな有機体

カーテンを開けて

荒れた庭を見る

目が死んでゆく

足が硬まってゆく

永遠の時間のなかに

溶けてゆく

渇いた皮膚

日が差してくる前に

紙に託した望みを埋める

愚かな反抗として



Posted on 2013/02/21 Thu. 21:41 [edit]

category: 詩的つぶやき

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21

喪失 


西日に照らされた台所

見えない月が怯えている

時間が体をすり抜けてゆく

光は目の奥へと入ってくる

思い出を探している

足元には滴が

落ちて溜まって繋がって

ドアの外へと流れてゆく

畑の木の陰に

農夫の声が潜んでいる

乾いた薄い皮膚の下

かつて流された血が戻ってゆく

肉体は輪郭だけを残して

地平線へと消えてゆく



Posted on 2013/02/21 Thu. 17:38 [edit]

category: 詩的つぶやき

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21

ある季節の終わりに 


ある季節の終わりに

花が散ってゆく

短い草が風を運んでゆく

ある季節の終わりに

歌えなかった詩が

日差しの重みに圧されて沈んでゆく

地中の川へと

ある季節の終わりに

ぼくは嘘をついた

足音を欺いて路地を上っていった

鳥の声を探して

いつしか空を漂っていた

秋の背中が見えた



Posted on 2013/02/20 Wed. 17:01 [edit]

category: 詩的つぶやき

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20

輝く磨りガラス  


日差しを受けて

薄い膜のように輝く磨りガラス

頭が吸い込まれてゆく

地平線を流れる雲を見ている

遠くで人の足音が聞こえる

歪みながら記憶のなかに溶けてゆく身体

褪せたフィルムが回りはじめる

映像は曲がりくねった路地をのぼってゆく

音は海へと帰ってゆく

明るい朝の儚さが

胸を騒がしくする

無情な時間は流れつづける

庭に埋められた果実を啄む鳥 ---



Posted on 2013/02/20 Wed. 10:00 [edit]

category: 詩的つぶやき

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20

鼓動 


揺られ

揺さぶられて立つ

蛍光灯の下

磨りガラスのむこうは闇

同じ夜のなかで

寒さと温もりと

冷たい外気と 冷たい過去は

薄いガラスで隔たれているかのように

結露して流れ落ちる滴

留まった時間の慰安

日差しに怖れる心は

邪気だろうか

この不安は・・・


逃げますか

いや すでに逃げている

感じますか 神の御心を

感じない


見えます

路地の死角に消えてゆく背中

人間の面影

生きている人間の

告白---



Posted on 2013/02/19 Tue. 23:35 [edit]

category: 詩的つぶやき

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19

生きている 


真昼に見つめていたものを憶いだす

イメージが見つからない

何も見つめてはいない


電車が走り過ぎてゆく

明るい窓から誰も覗いていない

無人の客車がトンネルに吸い込まれてゆく


明日があると信じているから つい

今日を見逃してしまう

明日はある・・・


交差点を人が歩いている

時に交わる視線に刺激されて

ショーウィンドウが煌めく


足跡が足跡の上に

足音が足音を消して

いつまでも存在していると信じているあなた


窓を開けて

首を伸ばせ!

世界へ


あなたの世界

あなたの眼差しだけが捉える都市を

見つめて歩いてゆけ


ひび割れたコンクリートの壁に

夏草の芽が生えた

--- 生きるなら反抗せよ


人知れず生きている

怖れながら

震えながら



Posted on 2013/02/19 Tue. 23:14 [edit]

category: 詩的つぶやき

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19

水平線の亀裂 


捉えきれなかったもの

みずから拒んだもの

それらは夜の闇に紛れて見えない

アスファルトが濡れているから尚更

それらは明日の日差しのなかに浮かび上がる

悔恨と欲望と名付けられない郷愁


波の音が聞こえたから

水平線を想う

遥かな沖を縁取る線に並んだ亀裂

その裂け目に

夕焼けが吸い込まれてゆく

闇が吐き出されてゆく


それは昨夜の枕元に置かれたノートに記された

記録

ある夏の夜に忍び込んだ蛍の発光

見えない月が照らした

思い出の傷


動いている

見つめている

知らない者は気づかないだけ


囲まれている

囚われている


詩は逃避する犯罪者の声

殺した声に追われて

喉元に突き上げる呻きに苦しみながら

果てのない草原を走り続ける


白い壁に穿たれた

時間を逃れた道

怯えながら覗き込む

--- 誰かがドアを叩いた

わたしは影の輪郭となって

今日と明日の狭間に居る




Posted on 2013/02/18 Mon. 22:16 [edit]

category: 詩的つぶやき

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18

寒椿 


瞳のレンズに映って滲んで留まって

寒椿

色のない季節に

はじけて浮かんで留まって・・・

紅色の滴を垂らす


生ぬるい雨が降る 冬が終わろうとしている

白んでゆく花びら

色のない季節が運び去ってゆく

魅惑の情婦


春の気配を感じて

命の衣を一枚ずつ剥いでゆく

されどその面影は

紅色のまま留まりつづける

夏草に隠されるまで



Posted on 2013/02/18 Mon. 10:19 [edit]

category: 詩的つぶやき

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18

意味と言葉 


なぜ詩を書くのか

辛いだけしんどいだけなのに

なぜ見つめるのか

つまらない日常の影を

なぜ生きているのかを

問うかあなたは

答える術をわたしは知らない

あなたも知らない

生きている意味が

詩の意味のように

問う価値もない探る深さもない

そう言葉は平面

掘り起こして探ろうとする哀れなひとたちを嗤って

物干竿にぶら下がっている

風にゆられて

意味に弄ばれているひとたちを嗤っている

不遜な魂

詩の言葉を借りて

見下ろしている

太陽の目を借りて

高踏な言葉を借りて

蔑んでいる

惨めなわたしと

泣いているあなた


なぜ書いているのか

言葉は平面

意味は意味を知りたくて

無限の海を沈んでゆく

言葉が記されるところ

意味が沈んでゆく

追いかけるかあなたは

わたしは追いかけない

ただ眺めて立ちすくむ

ただ記す

記録として



Posted on 2013/02/16 Sat. 23:24 [edit]

category: 詩的つぶやき

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16

台所の時計 


台所の白い壁に掛けられた時計

進んでゆく針

いや戻ってゆく

進んでゆく

戻ってゆく

増殖する精子

増えてゆく空の一升瓶

丸い時計の裏には穴が

子宮のように過去を貫いている

深い闇のなか

まさぐる視線が闇を突き抜けてゆく

鍋が包丁が息を殺して

白い箱のなかで企む

狂気の妄想

わたしのなかにはわたしが

存在を忘れて立っている

見えない夕暮れは火となって

ガスコンロに灯る

明日の悪い予感

秒針の音が

ひときわ大きく聞こえるのは何故だろう

進んでゆく

戻ってゆく

音が鮮やかな花のイメージを描いて

生きたまま殺してゆく

冷蔵庫の裏に隠される罪

行き場のない欲望は

遥かな未踏の尾根で

射精する

林のなか招かれる世界に

入ってゆく

何の恐れも疑いもなく

歩いてゆく

--- 未明へ



Posted on 2013/02/16 Sat. 22:33 [edit]

category: 詩的つぶやき

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16

雨上がりの庭 


雨が上がりはじめた庭に

鳥たちの羽ばたきが聞こえる

飛び立つごとに枝の滴が落ちる

屋根から枝へ

電線へ空へ

移ろって飛ぶ羽音

追いかける視線

冷たい空気の縁側で

日差しを待っている時間

歩き始める時間

騒ぎはじめる胸のうち

振り返る昨日の影



Posted on 2013/02/16 Sat. 09:49 [edit]

category: 詩的つぶやき

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16

足音 


歩いている

秒針のような足音

歩いている

留まっている

穿たれた時間の道

傍らに記憶の花が揺れている

歩いている

死んだはずの夏草の陰で

流れている季節の川

降りはじめた雨の音が

帰ってゆく

失意の排水溝

部屋が笑っている

留まっている生活の影を

聞こえなかった柱の呻きを

歩いている

耳が尖っている

秋の背中が消えてゆく

果てしない時間の闇のなかへ

落ちてゆく

言葉にならない声と

イメージを失った想いと

蛾のように羽ばたく生活の音

繰り返す記憶の嘲笑

明日の肌の感触

触れて怯える短い草

夜が冒した真昼の残照

またしても

繰り返す

谺する

逃避の声



Posted on 2013/02/14 Thu. 23:29 [edit]

category: 詩的つぶやき

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14

夕暮れ時の台所で 


換気扇の汚れ

吹き上げる火

終わってゆく日

夜へと進んでゆく時間

浮かんでは消えてゆく言葉

消してゆく日常のありきたりの言葉

慌ただしい真昼の音

耳横を過ぎていった音 声

生活のなかに空いた穴

その穴のなかで佇んでいる

無限の闇を見つめている



Posted on 2013/02/14 Thu. 17:20 [edit]

category: 詩的つぶやき

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14

雨の夜は 


今夜は雨になる

激しい雨のなかで部屋は

夜の気泡となって漂う

閉じ込められた空気のなかで

浮かんでいるのか沈んでいるのかは知らずに

それでも時間は流れてゆく

光の粒粒として

宇宙の闇に抱かれて

自転しながら進んでゆく

無限の球体として

朝の日を迎える



Posted on 2013/02/12 Tue. 17:31 [edit]

category: 詩的つぶやき

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12

戒めの火 


ニットを被って厚着して

夜風に身体が震えないようにして

自転車で走ってゆく夜道


寒気に澄んだ星空を見上げながら

進んでゆく

孤独な夜道


落ちて弾ける星の光の幻影に

顔をほころばせながら

戒めを破って

煙草を買いにゆく


誰が責めるか

儚い命を包んだ

時にすきま風が吹くぼろ屋の部屋で

何を守るか


明日になればまた

洗濯物が風にゆられて摩耗してゆく

日々薄くなってゆく

生活の皮膚


あなたは何を守って

何に怯えて

歌っているのか

やがて聞こえてくる

--- 午後のメロディ


行間が心を縛るのなら 破壊すべき

定型に囚われて

閉められた窓の外から

朝の庭を見つめるだろう明日も


生きようとしても

死んでしまう 否!

夏草は枯れたまま無機となって冬を越した


頭を垂れて

冬に渇いた舌は地中の川へとたどり着いて

死を手繰り寄せた


永遠の時間のなかで

死は無機となって水を吸ってまた

有機となって生を取り戻す


命に身を膨らませる

腐敗するために

流れてゆくために



Posted on 2013/02/11 Mon. 23:25 [edit]

category: 詩的つぶやき

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11

荒れ庭 


意識を失った目が

枯草を見つめている

夜の記憶を残した光が

葉叢の陰の間に落ちている


真昼は渇いた粉っぽい皮膚を風に晒して

鳥が啄むにまかせている

時間は酷薄な目で荒れた庭を巡っている

孤独な舌は地中に流れる水の気配を探している



Posted on 2013/02/11 Mon. 12:04 [edit]

category: 詩的つぶやき

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11

光の記憶 


鉛筆をすべってゆく光が

昨日の酒のグラスに落ちる

夜の光は朝に持ちこまれても

眩しい日差しに姿を消されて

テーブルの陰で日が落ちるのを待っている


いましがた溶けた霜が

青い空を映しはじめる

山の斜面の短い草の間にはねる魚

誘惑されるカラスの目

動きはじめる欲望



Posted on 2013/02/10 Sun. 09:43 [edit]

category: 詩的つぶやき

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10

ドアが隔てる世界 


留まっている

心が留まっている

夜のドアの内側で立ちすくんでいる

そこからは日は差してこない

誰かの足音がドアの前まで来て止まる

ドアが隔てる対峙する目と目

声を発しない唇が動いている


雨雲の唸りが遠い峰から降りてくる

風が細い路地を上ってゆく

コマ送りのように映しだされる過去が

悲しみを連れてくる・・・


ドアを開ける

誰もいない

鳥の足跡が

風に運ばれてゆく

海へ・・・



Posted on 2013/02/09 Sat. 19:21 [edit]

category: 詩的つぶやき

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09

真夜中の午後 


眼差しは

愛情とか

好奇心とか

ただの気まぐれだとか


人が人を見つめる理由は

無数にあるだろう


ときにすれ違うある人の顔を

いつまでも憶えていたりする

何の意味もなく何の因縁もなく

記憶のなかに留まり続ける

訳の分からないイメージ


強い風に揺さぶられる洗濯物

引き伸ばされるシャツ

時の眼差しが見えない死角で

現実を弄んでいる


足跡

足音

確かにわたしは歩いている


愚痴

射精

確かにわたしは人間だ


生活と詩と

もがいてもだえて生きている

真夜中の

午後 ---




Posted on 2013/02/08 Fri. 22:30 [edit]

category: 詩的つぶやき

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08

夜の反抗 


雨が降っている

タバコの煙を逃がすために窓を開ける 閉める

それは肉体が記憶した時間


ここからは

経験も種子も花弁もない時間を辿ってゆく

うなだれて屋根を打つ雨音を聞く


しかしこれも肉体が記憶してしまった

過去は気を許した間に現在となって未来はイメージとなる前に

生活に捕らわれる


うなだれる額を押さえる指の間から言葉が紙面に落ちて

波紋をつくる

誰も触るなかれ

美しい襞の輪唱

光の自死


無機となって冬を越す枯草は

春の日差しに水気を帯びて土に帰ってゆく


眠れない夜は命の反抗

 我反抗す

 ゆえに我あり※


沈まない月の過ちを

太陽が見ている

悩ましい午後



※アルベール・カミュの言葉


Posted on 2013/02/05 Tue. 23:27 [edit]

category: 詩的つぶやき

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05

淋しい血 


わたしは何も見通していない

イメージのなかに言葉があって

言葉は意味を連れてくる

意味は儚い夢のように

輪郭をなくして

ときに時間を遡って

ときに留まって

やりきれない心に

救いの言葉をつぶやく



Posted on 2013/02/05 Tue. 09:44 [edit]

category: 詩的つぶやき

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05

波打ち際の返詩 


二つの影が波打ち際を歩いてゆく

波濤は糾いながら時間を運んでゆく

足が刻んだ独白は

やがて飲みこまれてゆく

月の微笑みに


渇いた風に晒される町の屋根が

黒い雲に怯えている

柱を守るけな気な少女

襖の陰に蹲る火


船は繋がれたまま波に揺られている

風に運ばれた眼差しが見つめている

帰れない過去 追いつけない未来

石になった現在


血の音が聞こえるか

孤独な肉体を巡る激しい流れを

あなたは閉じ込めてしまった

残酷な時間に心を許した過ち


死神のような闇が手を広げて

待っている

路地の死角

葉叢の陰で


歩いてゆく

誰ともなく手を繋いで

夜空を越えて峰を越えて

聞こえてくる声


雨のなかに佇む

わたしのなかのわたし

わたしのような

あなた



Posted on 2013/02/04 Mon. 23:21 [edit]

category: 詩的つぶやき

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04

渇き 


音楽だけでは

想像だけでは

足らない


ドアを開けて夜道に立つ

雨が降っている

滴が額に落ちる

星は見えない

ドアを閉める・・・その前に

眼差しの脇に映った外灯の光

滴はやがて川となって夜道を流れてゆく

イメージとして外灯は眼差しの奥に佇んでいる

水の流れは隠喩として

果てしない地平線に落ちてゆく

見えない日差しは郷愁の抜け殻

雨音は世界の底まで響いている

夕暮が残した火は消えずに濡れている

山へと向かう足音は路地の死角に消えて

古いフィルムのノイズが

雨のように降っている

未来の思い出が過去に遡って

真昼の塀の前に立ちすくむ


音楽だけでは

想像だけでは

足らない


イメージが欲しい

時間に埋もれたコスモス畑

風が運んだ幼児の声

ルームミラーに留まる目


イメージは空色の目

季節に抗う鋭い柿の木の枝

峰に消えてゆく雲の視覚

激しい雨の予感に怯える屋根


悲しみは心の比喩

やわらかい骨の名付け親

いまだ定まらない眼差しの奥で

ゆれている水面の波紋


音楽だけでは

想像だけでは

足らない


そう生きているのはおぞましい肉体だから

不器用なまま腐敗してゆく無機への憧れだから

渇いた大地が欲しい

走ってゆく背中



Posted on 2013/02/03 Sun. 23:47 [edit]

category: 詩的つぶやき

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03

朝の回帰 


日差しが目を眩ませる朝

うな垂れた枯草の群れが動きだす

沈んでゆく 腐敗しながら

帰ってゆく

夏の日に

朝露に濡れた土から水を吸い上げる

しなびた葉が潤って

腐りはじめる命の悦び

無機が有機となって

懐かしい季節の夢を見る

死んでゆく血は水となって

せせらぎとなって

海へと帰ってゆく



Posted on 2013/02/03 Sun. 09:39 [edit]

category: 詩的つぶやき

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03