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わたしの感情の歴史

心のページに刻まれた想いを綴ってゆきます

洗い物 


彼女の後ろに立って抱くようにして

洗い物を手伝う

泡でぬれた手 

そのきらめく指の間にすべての指を差し入れる

流し台にうごめく2匹の蜘蛛

泡にまみれて 水を浴びて 楽しそう

2匹の蜘蛛が戯れながら 踊りながら

つぎつぎと洗われてゆく白い食器

洗剤はもういらない

蜘蛛の皮膚から滲みでてくる虹色の泡

その色に幻惑されて

二人はいま草原の夢を見ている


すべての作業が終わって

彼女はわたしの袖で手を拭く

わたしは彼女のエプロンで手を拭く


台所のすべてがきらめいて

二人は幻の休日の空へと昇ってゆく




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Posted on 2012/12/05 Wed. 10:28 [edit]

category: 妄想詩

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05

 


差しだされる両手

その胸のなかに飛び込んでゆく

そして溶けてゆく 絡みついたまま 水飴のように

あなたの肢体に巻きついたまま あなたの蜜となって流れおちてゆく

火照りながら 甘い匂いをただよわせながら

とめどなく湧いて溢れてベッドの端からしたたり落ちる

床に溜まった蜜はドアへと流れてゆく 

やがて隙間からはみ出したその蜜が外へ夜道へ流れだす

月に照らされて光る そのきらめきと匂いに刺激されて犬が悶えだす

あなたは意識を失っている

夜が明けるまで



Posted on 2012/11/25 Sun. 17:42 [edit]

category: 妄想詩

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25

 


熱に冒されて

絡みつき 捩れ膨張しながら 爛れ溶けて流れてゆく

咽喉のなかへと

その粘質の滴は

心臓へとおちて

揮発する吐息


ますます過熱してゆく時



Posted on 2012/11/20 Tue. 15:31 [edit]

category: 妄想詩

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20

ふたりが見た夢 


すこしざらついた肌

後ろからそっと抱きしめる

熟れてゆく時


窓のしたには喧騒 

その人や車のうえで もつれ合うふたり

失われてゆく世界


蒸れた汗のにおい

雨の気配を残したその繁みのなかへ

分け入ってゆく男の鼻先


吐きだされる声

シーツの襞に沈んでゆく指先

痙攣する皮膚


終わろうとしている夢

幕引きを怖れて 逃れようとして 走ってゆくふたり

そして夢は終わった



Posted on 2012/11/13 Tue. 14:43 [edit]

category: 妄想詩

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