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わたしの感情の歴史

心のページに刻まれた想いを綴ってゆきます

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朝の自転車道にて 



たんぽぽが穂になって道端にあふれている

瀟洒な家のガレージに休んでいる車

朝日に薄く照らされた並木


旅は終わったのではなくて ただ休んでいるだけ

休んでいる間に労働をする


にわかに騒ぎ始める路上の風

ゆれるたんぽぽの穂


えぐられたアスファルトの跡

にわかに開きはじめるドア


労働も終わったのではなくて

ただ休んでいるだけ

なのか


たんぽぽが穂になる前の

黄色い花弁にあふれた平原を思いだす


誰もいない公園のベンチにも

日が差しはじめた



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Posted on 2017/05/26 Fri. 19:06 [edit]

category: 詩的つぶやき

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26

帯広駅前の交差点にて 



赤信号が照らす彼の灰色の臓器

音もなく伸びてゆく「停止線」

ビルの死角に吸いこまれる風と車の痕跡

交差点に立つ「制御盤」


彼はなにを迷っているのか

この凍えるような街角の

生きる気配もないビルの蔭で

音もない雪と

かたちのない白線と

間違った世にまたがる高架橋に囲まれて

彼が見てきたものすべては

影をなくして草原の雪のしたに佇む


ビルのガラス窓のむこうに

知らぬだれかが座っている



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Posted on 2017/02/02 Thu. 18:00 [edit]

category: 詩的つぶやき

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02

冬を待つ雪 



うつむいた視線の雪

まだ冬は下りてきていない


それからぼくは日高の峰へと歩いてゆく

雪の草原が白樺の木のしたで空を映している

雨は根雪のしたに降りつづける


夏の日の高原から風が下りてくる

死んだはずの男はまだ生きている

夏服を着たままで


それからぼくは雪煙舞う農道を走っている

生活が雪を追いかけている


突然に生まれたぼくは

いま日差しが明るい部屋に佇んでいる


そして冬を待っている

窓の外には春までとけない雪が道を覆っている


気が付けばまた歩いていた

うつむいた視線に

まだ冬は下りてこない



Posted on 2017/01/31 Tue. 18:12 [edit]

category: 詩的つぶやき

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31

ペダル 



回転する

灰色の空があかるくなるまで

昨日のかなしみの地平がみえるまで


流転の星のなか

くり返す音の雪原を

回転しながらすすむ


地中深くしずんだ火にむかって

あるいは

軒下の蜘蛛の巣にかくされた宇宙にむかって


波打つ風をぬけて

骨の関節をくぐって


峠と空の境界にたどり着くまで

顔がキャンバスに移されるまで


闇の扉のまえで

回転の夢を旅する


錆色の廊下で




Posted on 2017/01/24 Tue. 17:32 [edit]

category: 詩的つぶやき

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24

わたしのポエジーの源泉 



実家から3冊の本が届いた


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吉岡実 特装版現代詩読本

田村隆一 現代詩読本

谷川俊太郎 世間知ラズ



旅に本は持っていけないから、旅に出てからはずっと読めずにいたのだが、やはりどうしても読みたいので実家から送ってもらった

宇和島にいたころからこの3冊はいつもわたしの傍らにあった

数多くの詩集を読んできたが、何度も読み返すのはこの3冊だけ、わたしにはこの3冊だけで十分なのだ



吉岡実の詩は、画集を見るような気持ちで読む

彼ほど画家的な詩人はいないと思う

彼のことばはときに鮮やかに、ときに鋭い彫刻のように読者を圧倒する

深淵に突然あらわれた光線に

 床の塵の類はざわざわしはじめる

のである


田村隆一の詩はそれとは逆にモノトーンである

荒涼とした地にかれのことばが神託のように響く

 鳥の目は邪悪そのもの / 彼は観察し批評しない

彼は言葉のない世界で

からからに乾いた言葉を甦らせる

荒地の詩人です


谷川俊太郎は多くの詩集を出しているが、この「世間知ラズ」が一番好きです

彼のことばがわたしの日常に語りかける

彼の日常にわたしが語りかける

彼はでも冷めた口調でこう返すのです

 詩は言葉を超えることはできない / 言葉を超えることのできるのは人間だけ

彼はやはり宇宙人だと思います

これほど人間に遠くて近い詩人はいない


不思議なことに、この本が郵便受けに届いた今日に、なぜか詩が書きたくなって2作も書いてしまった

まだ封を開ける前です

でもなにも不思議がることはないんです

ことばが突然あわられる如くに

この3冊が届いただけのことですから




Posted on 2017/01/20 Fri. 22:15 [edit]

category: ひとりごと

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